地元で受験勉強をするか、東京で受験勉強をするかということは、地方在住の医学部受験生にとっては悩みの種でしょう。すべてが東京に一極集中していると思いがちですが、そこは冷静になって「医学部合格」という目標に最も良い選択をしなければなりません。

医学部受験生は地元で頑張るべきか? 単身で上京したほうが良いのか?

地方の医学部受験生は「東京の予備校でなければ通用しないんじゃないだろうか?」と不安を感じがちでしょう。はたしてその不安感を持つことは正しいのでしょうか。そのことについて考えるために、まずは地元で受験勉強をする場合と、東京で受験勉強をする場合のメリットとデメリットを考えてみましょう。

「地元で勉強する場合」

メリット

  • 家族の目が届き、生活面で十分なサポートを受けることができる。
  • 新しい環境に慣れるための労力があまり必要ない。
  • 遊び場などの誘惑が少ない。
  • 経済的負担が少ない。

デメリット

  • 東京が中心地のような気がして、いま自分が通っている予備校の指導に対して不安になる時がある。
  • 予備校の選択肢の幅が少ない。
  • 家族が同じ家にいるため、勉強する時に気になってしまうことがある。

「東京で受験勉強をする場合」

メリット

  • 予備校の選択肢が多い。
  • 予備校の選択によって有名講師の講義を受けることができる。
  • 家族に気遣いすることなく、自分の持つ全ての時間を受験勉強に費やす事ができる。
  • 情報の中心地で勉強しているという安心感がある。

デメリット

  • 遊びの誘惑が強い。
  • 食事や洗濯など、身の回りのことも自分でしなければならない。
  • 環境の変化に順応しなければならない。
  • 他者の目がない時間が多いので、自分を律する強い気持ちが必要となる。
  • 予備校の学費の他に住居費や生活費など、諸費用がかかる。

地方で受験勉強する場合も、東京で受験勉強をする場合もメリットとデメリットがあります。デメリットの部分を差し引いてもメリットが高いほうを、冷静な目を持って選択しなければなりません。さもないと一年を棒に振ってしまう可能性も大いにあります。

このメリット、デメリットの大きさは個々によって変わってくると思いますが、最も考えたいことは「ひとりでもコツコツ勉強できる、自分を律することが得意なタイプか」「身の回りのことをするのが苦にならないタイプか」「費用に心配はないか」といったことでしょう。

ひとりでもコツコツと勉強ができる・自分を律することが得意なタイプの方で、身の回りのことをすることに慣れているのであれば、上京して予備校の寮などを利用するのも良い方法だと思います。情報や物の集まり、交通の便が良いのは東京の非常に優れた部分です。例えば実際に手に取ってみたい本があれば、大型書店やたくさんある図書館ですぐに入手することができます。利用法を間違えなければ、東京はとても使い勝手の良い場所です。

しかし、自分を律することが苦手な方や環境変化が苦手な方は、圧倒的に地元での受験勉強のほうが成功率は高いと思われます。皆さん趣味を持っていると思いますが、受験勉強のためにそれを我慢している、というような気持ちがあるのならば、単身で上京することはお勧めできません。情報や物の集積地で、交通の便が良いということは、遊びの誘惑に直結します。東京は受験勉強をするにはもろ刃の剣的な場所です。また、身の回りのことをして居心地の良い生活環境を作ることは、人によっては非常に時間と労力のかかることです。家族の助けで成り立っている地元での生活に居心地の良さを感じていて、その生活レベルを落としたくない人は、単身上京での受験勉強は向いていないと考えられます。

地元での受験勉強は情報と質で東京に劣らないのか

地元での受験勉強は東京での受験勉強よりも質が落ちるのではないか、と不安な人もいると思いますが、それは間違いです。また、地元の医学部しか考えていないので地元の情報にのみ精通している予備校を選択するという考え方も、医学部受験の本質を理解しているのか疑問が残るところです。

地方にいると全てが東京に一極集中しているように思いがちですが、医学部は日本全国に点在しています。地元で「東京にも劣らない」受験勉強をしているという安心感を得るには、全国にネットワークがあり、東京を含めた全国各地で同質の指導を提供している予備校を選択しましょう。実はこの「ネットワークの広さ」は東京在住の医学部受験生も予備校を選択するときに考えなくてはならないポイントです。

東京にいようと地方にいようと医学部受験生が考えるべきは「医師になるために医学部に入る」ことです。地方の医学部受験生が陥りがちな「東京にある医学部にしか行きたくない」「地元の医学部しか考えられない」といった考え方はどちらも偏っていると言えます。勉強する場所が地元でも東京でも、「全国の医学部の情報をよく検討する」「自分にとって“合格しやすい医学部”に狙いを定める」「入試までの限られた時間を効率よく使い勉強に集中する」――医学部受験生がしなければならないことは同じなのです。そう考えると、立地する場所は関係なく、広い情報収集ネットワークを持っている予備校が強い、ということになります。

また、予備校が提供する指導の質についても冷静に考えたいポイントです。著書が多く、メディアに取り上げられることも多い講師の講義を生で受けられることは、東京で受験勉強をする時の大きな魅力ですが、それは大きな刺激やモチベーションを上げるために役立つとしても、知識や学力の定着という点ではどうなのでしょうか? 地元で優秀な講師からきめ細やかな指導を受けること、東京で100人以上もの受講生の中で有名講師が行う一方通行の集団授業 を受けること、どちらが医学部合格にメリットがあるのかを冷静に考えてみましょう。

親の気持ちをくんでみよう

受験生は自分のことで頭がいっぱいになってしまいがちですが、親の気持ちを少し考えてみましょう。親との良好な関係は受験にもプラスにつながります。地方の受験生が単身上京して受験勉強をする時、親は目の届かない場所に子どもが行ってしまうことに大きな不安を感じます。単身東京で頑張っているにも関わらず、定期的に親が様子を見に来たり、頻繁に電話があったりすることは、必要のない大きなプレッシャーやストレスにつながります。一緒に暮らしていても受験生と親との関係はこじれがちです。受験する本人も、その親も必要以上の精神的負担がないようにするということも、地元で受験勉強をするか・東京で受験勉強をするかの選択の際に考えたいポイントです。