推薦入試は受験したほうがいいの?

推薦入試とは、大学の定めた基準を満たしている人が、一般入試よりも早い段階で受けることのできる入試です。医学部の推薦入試が、他の学部の推薦入試と大きく違う点は、高い確率で合格が約束されているわけではないということ。しかし、倍率や難易度は一般入試よりも低くなる傾向にあり、受験のチャンスを増やすという意味でもチャレンジする価値は大いにあります。浪人生も受験可能な推薦入試を行っている大学もあるので、ぜひチャレンジしてみましょう。また、現役生にとっては、一般入試よりも面接や小論文により重きを置く推薦入試は大きなチャンスでもあります。国公立・私立医学部の推薦入試がどういったものか、一般入試との倍率の違い、浪人生でも推薦が受けられる大学などに触れながら、対策の例までご紹介していきます。

国公立・私立医学部の推薦入試とは

推薦入試には「一般推薦」と「指定校推薦」がありますが、ここでは「一般入試」を取り上げていきます。「指定校推薦」は一般推薦よりもさらに競争率が下がるので、在学している高校が指定校の場合は絶対に利用するべきです。

国公立医学部、私立医学部に共通する推薦入試の特徴は、小論文と面接が重要視されるということでしょう。これは医療従事者としての適性の部分で入試を突破できる可能性があるということです。小論文では、医師に必要な考え方や思考方法、文章力、表現力などが見られ、面接試験ではコミュニケーション能力をはじめとし、性格や人柄まで見られることになります。

小論文試験は制限時間内にもとめられる文字数を満たした文章を書ききることが最低条件になります。想像よりもスピードが要求される作業なので、必ず一定時間内に書ききるトレーニングを積みましょう。

面接試験には個別やグループ討論といったスタイルがあり、学校によってその形式はまちまちです。特にグループ討論は、グループ内での自己紹介や、司会などの役割の立候補などアピールすべきポイントがたくさんあるので、積極的な姿勢で臨めるように予備校などで事前に対策を行いたいものです。

それでは、国公立医学部と私立医学部に分けて、その推薦入試について見ていきましょう。

【国公立医学部】

国公立医学部の推薦入試は、大きく分けて3つのパターンがあります。

  1. 年内に面接や小論文試験などを実施して、翌年の大学入試センター試験の成績と、志望動機書や推薦書などの書類審査との総合で評価するもの
  2. センター試験で1次選考を行い、2次試験として面接や小論文試験を課すもの
  3. センター試験を課さず、大学独自の試験により選考を行うもの

3のような推薦入試を行っている大学は少なく、筑波大学と群馬大学で実施されています。

国公立医学部の推薦入試でポイントとなるのは「センター試験」です。得点率85%~90%が目標になります。面接と小論文の対策もしっかりと行わなければなりませんが、特に地域枠での受験生は自分の出身県の地域医療についての問題点や対策などを事前にまとめておく必要があります。

【私立大学】

「基礎学力試験」「適性検査」などの名称で学科試験が行われます。私立大学の場合、一般入試は英語・数学・理科2科目が主流ですが、推薦は「英語と数学のみ」や「英語、数学、理科1科目」というパターンが多いです。この結果と、書類審査、面接や小論文との総合で選考が行われます。学科試験は大学によって難易度や出題形式が異なるので、入試問題が公表されている大学は過去問分析と演習が必要となります。面接や小論文の内容に関しても非公表としている大学が多く、情報収集能力に長けていてノウハウのある予備校を利用して対策をすることが最も効果的と言えます。

推薦入試と一般入試の倍率の違いは?

医学部入試は年々倍率が上がっていて、私立医学部だと一般入試で10~15倍、中には30倍を超える倍率の大学もあります。これが推薦入試の場合は、高くても12倍前後、平均すると4~5倍です。1点、2点の差を争う医学部受験の世界では、倍率は受験校選びでも大変大きな要素です。大学が定める条件を満たしているのであれば、ぜひ推薦入試にチャレンジするべきでしょう。

また、「現役」や「一浪まで」といった受験資格に制限があるので、入試の難易度もやや下がる傾向にあります。

浪人生でも推薦入試を受験できる大学があるの?

近畿大学、藤田保健衛生大学、岩手医科大学、獨協医科大学、埼玉医科大学、東京医科大学、金沢医科大学、兵庫医科大学、川崎医科大学、福岡大学、久留米大学、産業医科大学などが、浪人生に推薦入試の受験資格を与えています。1浪以上の浪人生も受験できたり、地域枠が設定してあったりと、大学によって条件は多種多様です。受験条件を満たし、医師になってからの自分の希望にマッチした医学部ならば、受験機会を増やす大きなチャンスです。浪人生も推薦入試までしっかりチェックしてください。

推薦入試対策は具体的にどうすればいいの?

推薦入試はその内容を非公開としている大学が多く、具体的にどのように対策をしていいのかが掴みにくいものです。推薦入試対策をどのように行うのか、推薦入試を突破した2人の例を見てみましょう。

【A君の場合:スピードを意識したトレーニングを実践】

基礎学力検査対策として、教科書の例題レベルの問題を素早く解けるようにした。問題を見たら瞬時に回答が浮かぶレベルまでひたすら繰り返した。英文の小論文が課せられる大学だったので、速読を強化。センター試験の大問6の問題を使って10分で解くなど、時間を意識した対策も。読解力を養うために一般入試の過去問を使って小論文の練習も行った。

【Bさんの場合:小論文と面接の実践的な対策を】

文章量を多く求められるテーマ別小論文があるため、他大学のテーマ別小論文の過去問を利用して「書ききる力」を養った。また、面接試験の形式がグループ討論であったため、予備校で講師やチューターを交えた模擬グループ討論を受けて対策を行った。

A君、Bさんはそれぞれ別の大学の推薦入試に合格しています。どちらの学校も概要だけで細かい内容についての情報は非公開で、過去問もありませんでした。それでも適切な対策をとることができたのは、通学していた医学部予備校の情報収集力とノウハウに理由がありました。対策に不安のある人は、推薦入試に実績のある予備校に相談することも医学部合格への近道でしょう。