いくら医学部の定員が増えたとはいっても、誰でも医師になれるほど定員は増えていませんし、医学部受験の試験問題が易しくなったわけでもないようです。

不況の影響もあって、「手に職をつけたい」「年齢や性別に関係なく長く続けられる仕事がしたい」といった安定志向が強まっているため、医学部人気は右肩上がりだとか。大学(短大含む)進学希望者の6人に1人は医学部に進学を希望している計算に。2012年の段階では国公立は6.6倍、私立は24.9倍の倍率になっていました。

このことからも分かるように、何も考えずに受験したところで合格するはずがありません。ですから、まずは大学側が欲しい学生はどんな人物かを考えることから始めてみましょう。医師や大学教授などに話を伺ったところ、それは医師に求められることとリンクしているようです。

その1. コミュニケーション能力が優れ、思いやりがある

「医師として仕事をしていく上ではコミュニケーション能力は必須。患者は人間ですから相手の気持ちを汲み取って接する思いやりも必要です。また、医師一人で全ての仕事ができるわけではないので、周りのスタッフとの連携も重要になってきますね。」と話す大学教授のSさん。
こういったことを踏まえると、当然医学部入試の際に行う面接でも、コミュニケーション能力の有無は大事な判断材料の1つになると言えそうです。

その2. 好奇心旺盛で研究熱心なこと

「医療は日進月歩です。常に新しい器具や薬品などが作られ、知識や技術なども進化していきます。ですから、医学部に入ったから安心、医師になったから安心なんて思わないでください。生涯勉強して、知識を深め、貪欲に追求していきたいというくらいでないと良い医師にはなれませんよ。」と言っていたのは現役医師のIさん。
なるほど、医学部合格がゴールなのではなく、医師になってからやっとスタートできると思った方が良さそうです。

その3. 自発的な行動力、問題解決能力

医師のIさん曰く、「医療現場では、たくさんの問題が発生する場合があります。トラブルが発生した際に、誰かの指示がないと動けないようでは、場合によっては患者が命を落とすことさえありますよね。ですから、どんな場面であっても常に冷静で自発的に考え、解決する応用力が求められます。」とのこと。
日常でも小さな問題はたくさん起きているはずです。その問題をどうすればスムーズに解決できるのかを考えたり、ニュースで取り上げられていることについて、自分だったらどうするかを考えることでも応用力をつけるトレーニングになるのではないでしょうか。意識するだけでも変わることはたくさんありそうです。

その4. 社会性と倫理観を持っている

「医師という仕事は患者の命に関わる仕事です。そのため、患者の人生を大きく左右する決断をすることもあるので、しっかりした倫理観や社会性を持っていて欲しいと思うのは当然でしょう。医学部受験での面接においても、受験生がどういった考え方をするのかなどを知るために質問をする大学は多いはずです。」と大学教授Sさん。
確かに考えてみれば当然と言えることですよね。自分が患者の立場になって考えた時に、どんな医師に診てもらいたいか、仕事をする上で何を大切にすべきかを考えれば、自然とどんな学生像が求められているのかが分かってくる気がします。医学部受験をしようと考えている方は、難しく考えずに自分の考えをまとめてみると良いでしょう。