問題集は1冊をとことん使い込む

受験生は、合格できるかどうかといった不安があるせいか、誰かが良いと言った参考書や問題集を次々と買って、あれこれと難しい問題をやっている人が多い傾向があるようです。
しかし、着実に成績を上げて医学部受験に合格しているのは、1冊の問題集、1冊の参考書を繰り返し暗記するまで使い込んでいる受験生です。場合によっては、参考書は購入せず、学校の教科書と1冊の問題集だけという受験生もいます。これだと思って買ったら、最後までその問題集や参考書を信じて、何度も繰り返し勉強しましょう。多くの問題集を次々解いていくより、1冊の問題集に出てくる問題の質問の意図や内容を理解する方が、合格への近道となります。
基礎学力がしっかりと身についているなら、参考書は不明な部分を調べる程度で構いません。高校の教科書をベースにして勉強し、参考書は辞書代わりにするのが良いでしょう。やたら難しい解説が載っている参考書で勉強するのはやめて、分からなければ教科書に戻るという方法が得策です。
受験問題は基礎知識を積み重ねていくものなので、本筋からはみ出した難しい知識を振り回しても意味がありません。教科書はその基礎知識のベースとなるのです。

問題集は易しいと思うくらいが丁度良い

1冊の問題集を繰り返し使い込むとなると、その1冊の選び方が重要になります。適切な1冊を選ぶためには、まず、自分の学力をきちんと把握していないと選べません。
現実問題として、多くの受験生が自分の学力を過大評価しています。自分の学力は標準レベルだと思っている受験生の多くは、実際には基礎から学び直さなければならない学力であることがほとんどです。しかし、恐ろしいことに、その事実を理解していません。「自分は本当に教科書に書かれていること全てを理解しているか」と自問して、自分を客観的に評価して欲しいのです。基礎学力が一部でも欠落している状態では、問題が難しくなってきた時に対応しきれません。
それなのに、受験生は一般的に実力よりも難しい問題を解こうとします。実力よりはるかに難しい問題集を使っても成績は上がることはないのです。なぜなら、問題集を解くということは、その問題を解けるようにするためにやるのではなく、問題の解き方を理解するため、解説を理解するためにやるものだからです。あなたが「こんなに難しい問題集が解けるのに、どうして模試の成績が上がらないんだろう」と思ったら、その問題集が自分のレベルに合っているのかを確認し、正解しているのであれば、解答や解説を読み込むことなく、勉強を終わらせていないかといったことをもう一度チェックしてみてください。きっとそのあたりに落とし穴が見つかるはずです。

基礎を固めるための問題集は、何問か解いてみて易しいと感じるくらいが丁度良いと考えています。その問題集でも実際にやってみると、解けない問題が出てくるはずです。その時点では、易しいと感じる程度の問題レベルでなければ、解説が理解できないでしょう。問題集は同じ問題を解けるようになることが目的ではなく、初見の問題にも対応できるように理解することが必要です。また、問題集を選ぶ時は解説が丁寧なもの、別解が多く記載されているものを選びましょう。そして、基礎力がついたと判断できた頃から、問題集のレベルを上げていってください。

いずれにせよ、「友達が良いと言ったから」「先輩が良いと言ったから」という理由で参考書や問題集を選ぶことだけは避けるべきです。友人や先輩とあなたは実力も問題との相性も得意分野も全く違うのです。相談をするなら、あなたのことを学力だけでなく、性格までよく理解し、客観的に判断してくれる先生しかいません。そして、選んだ1冊を最後まで徹底的にやり切ってください。