予備校を選ぶ際、講師の質を気にするのは当然ですが、マスコミに名を知られた有名講師や、いわゆるカリスマ講師の授業を受けなければ、受験を突破できないと考えるのは間違いです。有名講師、カリスマ講師の授業を受けて不合格になっている人、小さな塾に通っただけで合格している人が現実問題として存在していることを見れば、一目瞭然です。

 大教室で大勢の生徒を魅了し、飽きさせない有名講師には、担当教科に対する一定以上の造詣の深さはもちろん、優れた話術や飽きさせないプレゼンの仕方などのスキルがあることは事実です。これにより気分が高揚し、学習意欲が増したり、その科目が好きになったりという効果があり、生徒にとっては、こうした講師達の授業を受けることは良い刺激になるでしょう。

 とは言え、ごちそうも毎日食べていれば飽きが来るもの。そんな時、大勢の生徒たちに囲まれ、講師の姿も遠くにしか見えないような環境だと、集中力がふっと途切れることも少なくありません。講師のカリスマ性にかき立てられていた高揚感がダウンすると共に、やる気までダウンしてしまうケースは、受験シーズン後半に入った大手予備校では実際のところ、珍しいものではありません。

 私たちの健康に大切なのは、派手なところは無くても、カロリーや塩分などに注意を払った食事です。それと同様、受験勉強で大切なのも、「ポイントの分かりやすい解説」「受験生が苦手とする部分の適確な指摘」「間違えやすいポイントとその回避法」といった、一見すると地味で正統派な内容です。派手なアクションは無くても、キャッチーで印象的な言葉遣いは無くても、こうした点をしっかりと教えられるのが、本当の意味で質の高い講師であり、その意味では、「講師の質は受験生にとって非常に重要」と言えるでしょう。