医学部入試のもう一面は人格を試される受験

医学部受験での小論文・面接では、その人がどのような人格形成をしてきたか、社会に開いた人間であるかを評価される。小論文では読書経験とそれで培われた国語力を、面接ではコミュニケーション能力が注目される。

これは昨今問題になっている医師と患者、その家族とのコミュニケーション問題を踏まえ、大学側が人間性に優れた人物を迎え入れたいという意志の表れだ。

人間性やコミュニケーション能力は一夜漬けで培われるものではない。そして、医学部を目指す受験生の中にはこの分野を最も苦手とする人も多いのではないだろうか? 小論文と面接の対策についてみていこう。

医学部受験の小論文対策

医学部だからといって小論文に医学系の問題ばかりが出るわけではない。学科で理系科目について問われるわけだから、小論文で問いたいのは、ずばり国語力だ。

具体的な対策として、まず自分の経験について書きだしてみる。「高校時代に努力したことは何か?」「浪人時代は苦しかったか?」。そして、全てを「医療従事者としてこの経験はプラスにできると思う」ということに帰結させることを心がけたい。

次に読書体験について話したい。これは読むしかない。そして、今から読み始めても遅くはない。受験生、特に国公立医学部を受ける受験生は時間的制約があるのは事実だが、隙間時間を使って1ページでも多く読む。非受験生は今しか読めないと思って、どんどん読もう。何を読んでいいかわからない人は講談社「ブルーバックス」シリーズから、興味のある分野を選んで手に取ってみよう。医学部を志す人であれば、かならず興味が湧くはずだ。

時事問題に関しては、毎日、新聞を読むことで得られるレベルの情報で対策は十分。新聞を読む行為自体が、自分を社会に開いている表れになる。

医学部受験の面接対策

コミュニケーション能力に自信がない、あがり症だという人もいるだろう。日頃から積極的に人と接することを心がけよう。クラスメイトや先生、近所の人との何気ない挨拶や会話でもいい。

直前期になれば、学校の先生に頼んだり、予備校の講習を利用して面接のシミュレーションをしてみる。入室から試験、退出まで過剰な意識を向けずに自然に出来る状態にしておきたい。

問答の対策としては、事前に聞かれやすい質問を過去問や対策問題集などを通して調べ、それについて自分の考えを書きだしておこう。特に志望理由と自己PRは必須なので、3分程度の900字バージョンと1分程度の300字バージョンで事前にまとめておくのが良い。その他の時事問題などに対する対策は小論文と同じだ。新聞を医療面を中心に目を通し、できるだけ本のページをめくろう。

小論文や面接で不合格になるケース

多くの国公立大学では小論文と面接が点数化されているが、私立大学では明言を避けているところが多い。点数化されている場合には合格最低点を是が非でも獲得することを考える。明言されていない私立大学はいくら学科が良くても小論文や面接で医師として不適合だと思われた人物は落とされると考えておきたい。

ここで小論文や面接を原因に不合格とならない最低限のルールを確認しよう。まず、小論文だが、与えられた文字数はきちんと守ること。論旨がずれていることは問題外だ。面接に関しては、好感のもてる清潔感のある装いを心がけ、礼儀作法もきちんと習得しておくこと。面接官の目を見て堂々と話すこと。論旨のずれはやはり論外だ。

小論文・面接共に、他の受験生と差がつくるところは解答に至るまでの論理の展開で、それは自分の経験や体験に基づいて話すしかない。日頃から自らを省みて、それを文字として書き起こす訓練をしておきたい。