あれもやらなければならない、これも足りないと、医学部受験生は常に時間に追われる毎日を過ごしていると思います。運動する時間も心の余裕もとてもないというのが現状でしょう。しかし休憩時間に少し体を動かすだけで、勉強の効率が上がるとしたらどうでしょう? さまざまな研究結果から浮かび上がった、運動と勉強のつながりをまとめてみました。

有酸素運動で記憶力や思考力がアップする?

フィンランド・ユヴァスキュラ大学のウルホ・クヤラ博士らの研究によると、定期的に運動をしていると、脳の線条体と前頭前皮質の灰白質が多くなることがわかりました。灰白質とは、脳内で感覚ニューロンや運動ニューロンから得た情報を処理する神経細胞体が集まった領域です。実験は若い10組の双子で行われ、片方に平均して1週間に3時間多くジョギングをさせるというもの。この際、食生活は双方とも同じだったそうです。

ジョギングは有酸素運動ですが、有酸素運動が女性の記憶力や学習能力をつかさどる海馬の働きを改善させるという調査結果も、カナダのブリティッシュコロンビア大学から発表されています。ウォーキングも有酸素運動なので、いろいろな人が勉強の合間の散歩をすすめるのは、理にかなっていると言えます。

有酸素運動は20分以上続けないと効果がないと思っている人も多いのでは? それは脂肪を燃焼させるという見地から言われることで、しかも厳密にはそうではありません。勉強への体を動かす効果は細切れの時間で行っても得られるので、一度に行う時間の長さよりも続けることが大切です。

1日にたった20分のウエイトリフティングでも記憶力が向上

アメリカのジョージア工科大学での調査では、1日20分ほどのウエイトリフティングを行うと、筋肉だけでなく記憶力まで鍛えられるという結果が出ています。これはレッグエクステンションという足のウエイトトレーニングを50回行った人とそうでない人に90枚の画像を見せ、2日後にそれを含む180枚の画像を見てもらい、先日見た画像を当てるという方法で行われました。トレーニングを行った被験者の正解率が60%だったのに対し、何もしなかった被験者の正解率は50%にとどまったということです。

長時間運動をする時間のない医学部受験生にとって、このウエイトトレーニングという運動法は、最適な方法かもしれません。実験で行われたフットリフティングは、ジムでなくても椅子とヨガボールのような柔らかいボールがあれば簡単に行えます。方法は椅子に座った状態で、ボールを膝の間に挟み、両足を上げ下げするだけ。勉強の合間にぜひ行ってみてください。

ヨガを取り入れる医学部予備校も

ヨガのレッスンを取り入れている医学部予備校もあります。ダイエットや運動不足解消の方法として女性を中心に人気の高いヨガですが、元々は呼吸を整えて様々なポーズをとることで心身のバランスを整えることを目的としたものです。

ヨガでは常に深い呼吸を意識することを求められます。この深い呼吸には緊張状態を緩和する効果があり、集中力も高まります。精神状態を穏やかにする作用もあります。また、座っている時間の長い受験生は肩こりや背中痛に悩まされている人も多いと思いますが、ヨガのポーズは適度に筋肉や関節を伸ばしてくれるので、そういった不快な症状の改善にも役立ちます。

ヨガは本や動画などのお手本とマットが1枚あれば気が向いた時にいつでも自分で行えるので、ぜひ試してみてくださいね!

強い体を保つことも医学部受験では大切

医学部受験生が運動をしたほうが良い理由は、勉強を効率よく進めることができるからだけではありません。受験シーズンはインフルエンザなどの感染症が蔓延する時期ですし、全国各地を移動して試験を続けることはとても体力がいることです。

ジョギングでもウエイトトレーニングでも、ヨガでも、何かひとつ手軽にできる運動を身につけておけば、遠征先でいつもの自分を取り戻すスイッチにもなります。また、ストレス解消という部分でも、運動は大きな意味を持ちます。始めたら止まらなくなってしまうゲームや、暴飲暴食といった、ストレスを解消をするつもりが後悔につながってしまうものではなく、心身共にプラスの方向に働く運動でリフレッシュができれば最高ですね。