医師国家試験とは?

医師国家試験(国試)とは医師免許を取得するための試験で、これにパスすることではじめて医師としてのスタートラインに立てたことになります。医学部のカリキュラムを6年間こなし、かつ卒業試験に合格した後に受験資格が得られます。早い人では5年生の春頃から、多くの場合は6年生の春から夏にかけて国試の対策を始めます。卒業試験対策よりも、国試対策を先にはじめるのが一般的なようです。6年生は卒業試験対策を同時に行わなければならないのに加え、夏までには国試合格後の研修先を決める活動を終えなければならないので、医学部生活6年間の中でも多忙を極める時期だと言えます。

医師国家試験の内容とは? 医学部生はどうやって対策しているの??

医師国家試験で出題される問題傾向は、国のガイドラインによって定められており、4年に一度改められます。国試が行われるのは毎年2月。2015年には3日間をかけて行われました。試験はマークシート方式で行われ、問題総数は500問。これを総試験時間920分をかけて解いていきます。卒業試験で暗記しなければならないことをペーパーにすると、段ボール5~6箱分。しかし、国試はそれ以上だと言われています。

問題は必須問題、一般問題、臨床実地問題に分かれていて、必須問題は8割以上正解しなければ自動的に不合格となってしまいます。2015年だと、一般問題が200点のうち129点以上、臨床実施問題が600点のうち405点以上という合格基準でした。

また、医師国家試験では「禁忌肢問題」というものがあり、定められた問題数以上に禁忌肢を選択して間違ってしまっても自動的に不合格となります。2015年ではその基準は3問以下でした。「禁忌」というのは、医学的に絶対にやってはいけない診療法や薬の調合のことです。

医学部生が厳しい国試に対してどのように対策しているのかといえば、それは5年生の助けがあってこそです。各大学では5年生を中心とする「国試対策委員会」というものがあり、非常に多忙な6年生をバックアップしています。例えば、国試専門の予備校が主催する模試や講座などの窓口になって自分たちの大学で受験や受講ができるように手配したり、地方大学の委員会では国試が遠方の会場で行われる場合にバスやホテルの手配や当日の食事の手配まで行うといいます。

5年生の時に6年生をバックアップすることを経験し、6年生になって下の世代にバックアップしてもらう立場になる。助けあいの連鎖によって、新しい医師は生み出されていきます。

また、卒業試験を国試と同じマークシート方式にしていたり、国試のガイドラインを卒業試験の範囲にしている大学も多いようです。

医師国家試験の合格率の高い大学とは?

厚生労働省発表の2015年医師国家試験の合格率は91.2%。ほとんどの大学で90%前後の合格率となっています。2014年度の上位5大学をあげると、「自治医科大学」「筑波大学」「福島県立医科大学」「順天堂大学」「防衛医科大学」となります。これらの大学は受験者数が異なりますが、いずれの大学も受験者数の中の1人がパスできなかった、という状況です。

私立医学部では国試の合格率が学校の評判を大きく左右するということで、合格が見込めない生徒を卒業試験の段階で不合格にして留年措置をとるということもあるようです。志望校を決める際に国試合格率を基準とするならば、学年のうち何人が受験をし、合格しているのかまで見ることが必要かと思います。

もし国試に落ちてしまったら…

医師国家試験に不合格となってしまった時は、次年度の国試まで浪人生活を送ることになります。浪人すると国試対策専門の予備校に通う人が多いようです。このような予備校は年間の受講料が200万円とも言われています。

医学部は入るまでも辛いですが、合格したからといっても気を緩めずに国試合格までモチベーションを保つことが重要だと言えるでしょう。