医学部は入った後も暗記することが非常に多い

医師が迷うことなく診察や診断、処置や薬の処方を行う姿に驚き、あこがれた経験を持つ人も多いと思います。その姿には経験による裏付けがもちろんあるのでしょうが、基本的に医師とは頭の中に医学書を持っているような存在。医学部は受験の段階でもたくさんのことを暗記しなければなりませんが、合格し入学してからはより暗記することが多くなります。

例えば、基礎医学の化学の分野では、高校の化学の教科書の4~5倍の厚さの教科書の内容を理解し、暗記することが求められます。しかもその授業はある大学を例にあげると2年次の1年間のうちたった5週間だけとのこと。このような状況が基礎医学と臨床医学を学ぶ4年間はずっと続きます。主に2年次で学ぶ基礎医学のいずれかの教科の試験で落第してしまう学生が多く、3年生に上がれずに留年してしまう人が国公立・私立共に多いのはこのためです。

暗記力をアップさせるトレーニングをしよう

暗記のコツは、暗記したいこととイメージを結びつけることにあります。例えば、好きな人と一緒にそれを勉強しているシーンでもいいでしょうし、ライブ会場でステージの上から自分がそのことを叫んでいるといったイメージでも、イメージする事柄は自由です。

これを短い時間で集中して記憶しようと務めて、休憩時間を挟みながら繰り返し行います。そして、寝る前に再びイメージして、脳が眠っている間に情報を整理することを促し、朝起きて再びイメージすることでより一層強化します。このひと手間がしっかりとした記憶を残すコツです。

また、人間の忘却システムに基づく最も効率的な復習のタイミングは、1週間後、2週間後、1ヶ月後なので、そのタイミングで再びイメージをして、しっかりと定着させましょう。

生活習慣が暗記力を左右する

睡眠や食事、運動といった生活習慣も暗記力を大きく左右します。

脳は睡眠をとることでしか、休み、回復することができません。十分な睡眠時間は人それぞれで、起きた時に「よく寝た」と爽やかな気分であれば質の良い睡眠がとれた証拠。逆にこの十分な睡眠が確保できていないと、集中力や暗記力、思考力の低下を招きます。

また、脳をしっかりと働かせるにはエネルギーが必要です。特に朝食を抜きがちな人は、午前中からしっかりと頭を働かせるために必ず食べる習慣をつけましょう。言うまでもなく、流行りの糖質制限やローカーボダイエットなどは禁物です。

時間に追われている医学部受験生は運動する時間ももったいないと感じるかもしれませんが、効率良く勉強したいのであれば、適度な運動も必要になります。運動は記憶中枢を活性化させる働きがあり、ストレスの発散にもなります。また、運動中に暗記のイメージを思い浮かべると、体の動きや目に入ってくる風景などの情報とリンクしてより強く記憶に残ることも多いです。

精神的な安定も暗記力に関係する

受験を控えて平常心を保てというのは土台無理なことですが、できるだけ気持ちをフラットに保つことも暗記ごとをする上では大切なことです。暗記に取り組む時には、できるだけ楽しいイメージを持ちましょう。例えば、目標とする大学に合格した時のことを想像するだとか、この暗記が終わったあとに食べるおやつのことでもいいです。どうしてもこなさなければならないことなのですから、「やりたくない」とか「退屈」だとかイライラするようなマイナスの感情はバッサリと捨てて、サッパリした気分で臨みましょう。

また、瞑想と言うと何か大げさなイメージですが、目を閉じて深呼吸をすることは精神的な安定を得るためにとても有効です。それを運動と結びつけるならヨガやストレッチをおすすめします。ヨガのポーズをとりながら暗記のイメージを思い浮かべるというのも、身体と思考が結びついて記憶に残りやすいと思います。

また、時間などに追われて不安な状態が続いていると、自律神経が乱れ、暗記力に悪影響を及ぼします。朝日が入る時間に起き、きちんと1日3食を摂り、できるだけ決まった時間に就寝し、自分にとって十分な睡眠をとる…この基本的な生活習慣を守ることが暗記力アップにつながります。